14巻の名シーンを読み返して、突発的に生まれた産物。
時間的には、アームストロング少佐が車から降りた辺りだと思って下さい。










  貴方がいるから







「送って頂き、感謝いたします。それでは、我輩はこれで。」

「ああ。少佐、君も気をつけてな。」

「ありがとうございました、少佐。」


アームストロング少佐を家に送った後、今度は大佐の家に向かって私は再び車を走らせた。
助手席に座っている大佐は、何か考え事をしているのか、
何も喋らないで窓の外を眺めていた。

『「兵器」だ「化物」だといわれる自分が本当の化物と闘っている時にこそ
己れがただの「人間」である事を実感できるよ』
大佐がそんな事を考えていたなんて考えていなかった私は、正直驚いた。
いや、本当は分かっていたのかもしれない。
人1倍自信家のくせに、やたらと自分を卑下するよくない癖があるのだ、彼には・・・




「大佐、自宅に着きましたよ。
昨夜は寝ていらっしゃらないですから、
お疲れでしょう?今日はゆっくりお休み下さい。」

「ああ。」


聞いているのかいないのか、気の無い返事が返ってくる。


「大佐?聞いてらっしゃいますか?」

「すまない・・・。」

「え?」

「私のせいで、君まで危険な身にあわせてしまって・・・。」

「何をおっしゃって!!私こそ、貴方の・・・ッ」


『足枷に!!』、と続けようとした言葉は、彼の唇によって遮られてしまった。
そのまま力強く抱きしめられて、身動きが取れなくなってしまう。


「それ以上は言わないでくれ。君は私の足枷なんかじゃない。さっき言っただろう?
本当の化物と闘っている時にこそ己れがただの「人間」であると実感できると。
本当はそれだけじゃない。私は君と一緒にいる時も、自分が「人間」だと思えるんだ。
君と話をしていると、どんな些細なことでも幸せに感じるし、
君が他の男と仲良くしているのをみると、嫉妬だってする・・・。
分かるだろう?君がいてくれるから、私は私でいられるんだよ。」

「大佐・・・。」

「だから、今は辛いだろうが待っていてくれ。きっと迎えに行くから。」

「嫌です。」

「え??」


大佐が狐に摘まれたような顔で、私の顔を覗き込んできた。


「ただ待ってるだけなんて私は嫌です。
幸か不幸か、私は大総統の補佐官に任命された訳ですから。
うまくいけば、奴らの寝首を掻くことだって出来ます。」

「ハハ・・・。優秀な副官を持てて幸せ者だよ、私は。
だが、決して無茶はするんじゃないぞ。生きて私の元に戻って来い!!」

「はい!大佐も、どうかご無事で。
護衛がいないのですから、危険な行動はお止め下さい。特に雨の日は・・・」

「う////・・・ああ。ピンチをチャンスに変えてみせるさ。私はそれができる男だからな。」

「そうですね、期待してます。」


たとえこれからどんな目にあったとしても、私は決して生きることを諦めない。貴方がいるから、私は誰より強くなれる。







 *あとがき*

読んで下さってありがとうございました。
大佐に『君がいるから私は私でいられる』って
台詞を言わせたいがために、ヘボい練成をいたしましたorz
感想などいただけると幸いです。