ごめんなさい。



あの死闘から、どれだけの夜が過ぎたのか。

未だ、病院の真っ白なベットの上にその身体を横たえ、マスタング大佐は今夜も眠りについている。


時折聞こえてくる苦しそうなうめき声は、日を追う事に回数は減ってきたものの、なくなる日はない。

それだけで、彼の受けた傷の深さがいかに酷いものであったのかが伺える。


護衛という立場でありながら、今の私が彼に出来ることなど何もない。

強いて言うなら、彼の額に浮かぶ汗を拭うことだけ。




「この馬鹿者!!」

「敵の言葉を信じて戦意喪失だと!? ホークアイ中尉ともあろう者があきれるな!」

「うろたえるな! 思考を止めるな! 生きることをあきらめるな!!」



今日、大佐から言われた言葉。

あのラスト(色欲)とかいうホムンクルスに、
大佐が殺されたと聞かされ、
我を失い、生きることを諦めた私への戒めの言葉。



それでも貴方は、私に引き続き背中を任せると言ってくれた。

「私の副官なら、もっと毅然としていろ」と。





ごめんなさい、大佐。

ごめんなさい。


私は貴方を裏切ってしまいました。

バカな程に優しすぎる貴方を。

ごめんなさい。


それでも、もう二度としないと約束は出来ません。



貴方はきっと知らない。


貴方が殺されたと聞いたときの私の絶望を。

護衛の役目も果たせず、貴方だけを死なせてしまったと聞かされたときの悲しみと悔しさを。

もう貴方に会えないと感じたときの、途方もない孤独を。




それほどまでに、貴方の存在は私の中で大きいんです。

貴方がいない世界になど、何の未練も感じないんです。


だから大佐、お願いです。


貴方がもう一度、私にその背を任せて下さると言うのなら。

もう二度と、私を貴方の傍から離さないで下さい。

たとえ行き着く先が地獄であっても。




私は貴方さえいてくれれば、それでいい。




眠る貴方に、もう一度心からの忠誠を。







 *あとがき*

お題4つ目を消化。
やっとロイアイ。
10巻はロイアイのバイブルですよね!!
読んでくださってありがとうございました。
3/10 2008