PS2『鋼の錬金術師 ドリームカーニバル』の『新生 機械腕!』及び『鋼の受難』のネタバレ含みます。
未プレイの方はご注意下さいませ。










こんにちは。(前半)



本日の日付、4月某日。

ほんの数日前まではまだ七部咲きだった東部の桜も、
ここ数日の急な気温の上昇で、いつの間にか満開になっていた。


真新しい鞄を肩に掛け、新しい学校生活に心弾ませながら走る子供たち。

まだまだカチカチの軍服に袖を通し、
国民の平和を守るなんて青臭い夢を抱いているのであろう新人兵士数人ともすれ違った。


彼らにとっては雲の上にも近い存在であろう国軍大佐であるロイが、珍しくも私服姿で歩いていたものだから、
ロイだと気が付かずに通り過ぎてしまい、慌てて戻ってきて深々と頭を下げる者もいた。

そこらの頭の固い親父共とは違い、ロイは元々上司と部下の間の上下関係には寛大であったし(そうでなければ、マスタングファミリー等そもそも成り立たないだろう。)、
今日のロイはすこぶる機嫌が良かったので、何の咎めもなく、むしろその兵士を労わる余裕を見せたりもしていた。


その度合いといったら、ロイが機嫌がいい理由など知る筈もない新人兵士が、逆に恐ろしさを感じてしまう位だ。

それこそ、嵐の前のなんとやらとでも言うように。



一体、ロイに何があったというのだろう。

そもそも年度始めのこの忙しい時期に、何故ロイは私服でのんびり街を歩いているのか。

見たところ、視察という様子も見受けられないのに。




それは、数日前に開かれた、キング・ブラッドレイ大総統主催の武術大会。

参加者は二人一組でチームを組み、各々が自分の持つ力を総動員して優勝を競うという物。

しかも優勝者には、大総統から直々に自分の願いを叶えてもらえるという御褒美付きであった。


当然、以前から『大総統になって、軍の女性の制服を全てミニスカートにする』という、何とも馬鹿馬鹿しい(本人は至って本気のようだが…)野望を抱くロイである。

優勝して、大総統にこの『お願い』を叶えてもらうべく、この武術大会に参加すると張り切っていた。


もちろん、パートナーには副官のホークアイ中尉を指名したが、きっぱりと拒否されてしまった。

当然といえば当然である。



困り果てていたロイのところに、偶然報告書を提出するために東方司令部に訪れたエドワード。

殆ど無理やりに近い形で、ロイとコンビを組む事になったのだった。




そんなこんなで始まった武術大会。

あの『鋼の錬金術師』と『焔の錬金術師』がタッグを組んでいるのだから、幾ら強豪メンバーが揃っているとはいえ、そう簡単に負けるはずもない。

接近戦が専門のエドワードと後衛を得意とするロイによる、
バランスのいいチームはこのまま優勝するかのように見えた。





しかし。

そんな二人に、思わぬ強敵がいた。

それはエドワードが恐れていた弟のアルフォンス&イズミ師匠のチームではなく、
意外にも力ではロイたちが優位であろう、ウィンリィ&リザの女性2人組のチームであったのだ。


「なんでお前が!?」と聞くエドワードに、「欲しい物がある」と応えるウィンリィ。

「どうして中尉が此処に??」と尋ねるロイに、「大佐を止める為だ」と応えるリザ。


まさかこれ程までに戦いにくい相手がいたとは…。

この2人相手にロイもエドワードも本気を出せる訳もなく、あっさりと負けてしまったのだった。



「ちっくしょ〜!!」


「まさかこんな事になるとはな…。
まあ、君も私も彼女たちには弱いということだな。惚れた弱みだ。仕方あるまい。」


「な///俺たちってなんだよ!!ウィンリィとはそんなんじゃねえっての!!!」





さて。

こちらはそのロイとエドワードを倒し、無事優勝を果たしたウィンリィ&リザのチーム。

ブラッドレイ大総統から、直々に願い事を叶えてもらえる件となった。


「見事だ。さあ、願い事を言いたまえ。私が出来る範囲で叶えよう。」


「「私は…」」



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